日本国内で腎臓移植をした場合の費用は約140万になります。また肝臓移植は280万、心臓移植が260万円程度です(詳細はhttp://www.jotnw.or.jp/studying/26.html)。 上記は日本国内で移植手術を行った際に医療機関が報酬として受け取る手術費用です。この金額には医師や看護師の人件費、医療機器の償却費や設備費などの全ての必要経費が含まれています。(中医協) 手術代金以外には検査料、投薬代、差額ベッド代などが必要となりますが、これらは入院日数や個室利用の有無で変わります。ただし、急性拒絶反応と感染症が併発するなど特段の事情が生じない限り入院治療費が1千万円を超えることはございません。 ※高額療養費控除などの助成制度をご利用になれば実際の負担は数十万円程度で済みます。 海外ではどうでしょうか。世界的に移植術のプロトコール(手順・処置・投薬)は標準化されており、基本的な手術費や入院治療費に遜色はありませんが当事国の物価や人件費を考慮する必要はあります。 実際、渡航移植は相当高額になります。例えば子供さんが米国で心臓移植をすると1億数千万円は必要になります(中国、インドは1千〜千五百万円)。子供専用の医療設備や子供専用の薬剤などは特にないので手術費用は成人と差異は生じません(中医協の査定も子供と大人の区別はなく同額)。 そうすると、残る1億円以上のお金は何の費用なのか、臓器代と考える方もいると思いますが、欧米でもアジア地域でも臓器売買は禁止されているので腎臓または肝臓などの臓器名目での費用計上はなく、手術代金以外はすべて関係者への謝礼金となります。この謝礼金は渡航先や医療機関により数百万円〜1億数千万円と大きく変わるのが偽らざる現実です。 謝礼金に関する支払いは手術前のテポジット(差し入れ保証金)に含まれます。 この謝礼金は交渉により増減するので、これから渡航移植を考えている方はドナー待機時間も含め、より多くの医療機関と交渉し比較検討することがもっとも大切です。 海外の医療機関と交渉する際に注意すべき点として、事前の約束が守られないことがあります。現地に到着した後に様々な理由を付けて追加の医療費を請求されるケースがあるからです。 先方との約束をどのように担保するか留意する必要があります。 渡航移植は正確な情報を得ることから始まります。私ども相談室には過去6年間の海外5ヶ国27医療機関を訪問した資料がございます。また実際に行われた事例などもございますので参考になさってください。
|