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【ニュース】透析中止訴え死に至る 2019年03月08日

透析中止を訴えた患者が死に至るというニュースがネット上にございましたのでご紹介いたします。

私自身、透析をされている患者様に数多くお会いし、また透析も身近に見ているので透析がいかに大変かということはよく理解できます。

今回のこのニュースについて、透析を中止する前、亡くなられた患者様及び旦那さんに対し、医師はどこまで説明し家族はどこまでご理解されていたのでしょうか。一般的に透析を中止した場合、水分の排泄が十分にできなくなり、肺に水が溜まり呼吸困難、ひどい吐き気、意識障害など起こし、放置した場合当然死に至ります。そんな最後を迎える事を承知の上で、ご本人や旦那様は承諾したのでしょうか。またそのような説明が十分にされていたのでしょうか。という部分が気になります。互いに認識の浸透が不十分なまま、亡くなられたのであれば非常に不幸な出来事であったと思います。
死の前日、透析中止をやめようかという言葉からも、ご本人は当初透析の苦しみから抜け出したいという一心で確認書にサインされたのではないでしょうか。
透析の苦しみから解放されたい=安楽死という考えがあったのかもしれません。しかし今回の場合は前述したように明らかに長い時間苦しみを伴いながら死に至る可能性が高いです。今回亡くなった患者様及び旦那さんは本当にそれを望んでいたのでしょうか。
しかしながら、今回透析治療を受けない権利を患者に認めるべきだと話される医師の主張も私は理解できます。透析に関しては、根治治療ではなく、あくまで延命手段になります。食事に始まり、時間的な拘束も健常者より多く制限されます。昨年、修復腎移植が先進医療として条件付きで認められる、という透析患者様にとっては明るいニュースがございましたが、国内では約30万人もの透析患者様がおります。まだまだ移植を受けるには、非常に厳しい環境であることには変わりありません。そんな状況の中、透析中止を訴えれらたら。と思うと医師としては完治させることができず、ほぼ一生透析生活を強いられ絶望している患者を目の前に、非常に心が苦しくなると思います。人の人生(生死)に関わることですので、様々な関係者の想い・葛藤及び複雑な背景は必ず付いてまいります。ニュースの記事ではそこまでは読み取れないものの、医師・患者ともに相当な覚悟があったかと想像します。医師側に批判的な声が上がっているように感じますが、詳しい事情が分からないまま判断はできないと思いますし、医師側も患者を救いたいという気持ちはあったのだと思います。しかしルールはルールとして、愚直に従わなければならないのもまた事実であります。同じルール逸脱でも、「患者の命を救った」という話であればむしろ美談として語られ、世間の評価も違っていたのだろうか。ということをつい考えてしまいます。
今回の記事では透析患者は、皆不幸であるかのように受け取られる方もいらっしゃるかと思いますが、透析をされていても前向きに、幸せに暮らしていらっしゃる方は沢山います。透析に命を救われている人々は世界中沢山おり、頭ごなしに透析を否定つもりもございません。透析に限った話ではなく癌や根治が難しい持病とどう向き合い、どのように人生設計をするかで大きく生活のクオリティーが変わってくると思います。
最後に安楽死が認められているオランダの死生観についてのミニコラムがありましたので興味があれば是非ご一読してみてください。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54245
(週刊現代様)

難病患者支援の会 菊池充




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