現在、案内先の移植センター(国立病院)は外国人の受け入れを見合わせています。現地でドナー待機中の私どもの患者様も中断となり2月5日帰国されています。
今後、外国人レシピエント(移植希望者)受け入れに関してはコロナウイルスの動向及び入出国の規制に左右されるため。現時点で明確な日程を提示できない状況下にあります。(絶えず連絡を取り合っているので新たな情報が入り次第に告示いたします)
兼ねてより建設中の新病棟は既に本年5月に竣工しております。
しかしながらコロナウイルスの影響により本年10月開業予定が現時点では見通せない状況にあり医療器材の搬入がストップしています。
新病棟は総合病棟を含め床面積は38万平米(3棟・エレベータ104基・2000床)中国では初めてヘリポートが装備された移植センターであり、広範囲の地区からドナーの搬送体制が整います。また単独の移植センターとしては世界最大規模となります。(現在は4棟14万1千平米)
他国の海外医療機関との交渉内容並び状況を説明いたします。
現在、十数名から渡航移植の相談を受けており、内3名は早期の移植手術が必要な病状を抱えています。提携先の移植センターへ案内できない現況を打開するため新たな引き受け医療機関をリサーチしています。
しかしながら、コロナ問題が沈静しないと具体的な話は進められないとの回答です。
その理由として、何処の国でも臓器移植を実施している医療機関は高度な医療設備を有しているのでICUは重篤となったコロナ感染症の患者の対応で手一杯との説明です。この様な環境下での臓器移植は緊急を要する事情がある以外は自国民に対しても制限しているそうです。
総論
今日まで交渉を重ねた印象では、既に外国人患者の受け入れを実施している医療機関は前向きに対応してくださいました。
先方曰く「コロナ問題が終息すると同時に具体的(手術代・日程)相談をしましょう」回答を頂いています。
命が尽きてしまうレシピエントもいるので私たちは複数国へリサーチしました。しかし、どうしても最後は「コロナの壁」に突き当たり交渉が立ち往生してしまいます。
現時点で移植に応じているのは一部の臓器売買グループだけです。彼らは患者の体調不良や何か問題が生じると逃げてしまう人達です。公益法人の私どもは患者の安全、法令を考慮すると彼らと接触する事はできないのです。
基本的にはワクチンの開発、普及。もしくは治療方法が確立しないと渡航は難しい様に思われます。
他方、一抹の光明の兆しもございます。世界的に感染のピークは過ぎ去り、徐々にではあるが正常化の方向へ歩んでいるのは確かだと思います。また、本年末ごろから各国でワクチンの接種が始めるとの報道もございます。
移植治療という大願成就の日を迎えるまで、くれぐれもご自愛なさってください。
令和2年9月11日 事務局より
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