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渡航移植費用の構成 (高額となる理由) 2021年01月08日

心臓移植費用 5800万円(予備費500万円含む)
病状によりますが原則65歳未満まで。

a)費用内訳 

手術代金4000万円、渡航費200万円、
コーディネート料金300万円、
滞在費(翻訳・通訳含む)500万円、
 雑費・諸経費300万円、予備費500万円 総合計5800万円

*米国に付いては複数の医療機関へ随時見積もりを取り寄せします。先方の
条件をそのまま提示するので患者側の希望に沿って選択なさってください。

上記には空港出発から帰国(受け入れ病院案内)までの総費用が含まれます。
追加の請求は原則ございません。

渡航計画内で帰国した場合、予備費500万円は全額返金されます。さらに政府
助成金1千万円の給付を受けられた場合の総負担金額は4300万円となります。

以下2点に該当の場合は各々追加費用500万が発生します。

①人工心臓装着者
②患者の身長145センチ以下の場合
※チャータージェット及び同行医師の手配は実費負担となります。

追加費用の発生理由は以下です。

①一般的に心臓移植の手術時間は4〜5時間程度ですが、人工心臓を装着している患者の場合、手術時間は10時間前後に及びます。また、待機中の治療費は通常より多く見込まれるので加算となります。従いまして人工心臓の装着前に渡航されることを勧めます。
手術の安全性は高く術後の回復も良好です。加えて費用も節約できます。
②145センチ以下のレシピエントに適合するドナー出処は長期化(半年前後)する傾向があり
ます。待機中の滞在費及び治療費の増加見合いです。

b)費用の説明

国内にて心臓移植を実施された場合、ドナーから心臓を摘出する費用が約65万円・レシピエントへ心臓を移植する費用が約195万円の合計260万円程度です。(保険点数から算出)

上記に検査・投薬・入院・臓器搬送などの諸費用が含まれていません。それらを加算しても1100万円ほどです。※2019年臓器移植ファクトブック参照factbook2019.pdf(asas.or.jp)<http://www.asas.or.jp/jst/pdf/factbook/factbook2019.pdf>

ドナー搬送に於いてヘリやチャーター機を使用する場合は高額となりますが、臓器搬送費用の平均値は100万円以下です。
外科医の多くは「心臓移植の総費用は1千万円前後で2千万円を超えるのは稀」と話されます。(患者の年齢に大差は生じない)

日本・米国・EU・インド・中国においても心臓移植に使用される医療器械・投薬は万国共通です。各国の物価の高低により人件費に差は生じますが医師・看護師の総労働時間を勘案した金額に諸経費の差額を加えても2千万円の違いは発生しないはずです。
費用差が発生するとすれば、それはイレギュラー代金(順番の割り込み料金)の差があるからです。他の待機患者を押しのけて臓器を獲得するための費用。すなわち関係者への謝礼金です。

私どもがお世話になっているポール博士(心臓外科の著名な第一人者)は「寄付金(研究費名目)を加算させてください」と申し訳なさそうに38万ドルを提示されました。
この加算額は物価が高くドナーの獲得競争の激しい国では数億円に達します。逆に心臓移植の実績が豊富で物価の安い国は低額となるのです。
割り込み料金は待機患者の人数・当事国の所得水準・保険制度により変わります。
心臓移植は開発途上国間でも1千万円前後の費用が生じます。

c)  新興国の状況

日本では報道されていませんが一部の国や地域では心臓や肺が移植に利用されず廃棄されるケースがあります。
その理由として手術代金(約1千万円)に加えて、さらに術後1年は別途、約300万円の検査・通院・投薬の費用が必要となります。(免疫抑制剤は高額)2年目以降は約半分の150万円程度で済みますが、この支払は生きている限り終生続きます。

日本の場合は高額療養費控除など各種の助成制度により本人負担は年間数万円の出費で済みますが、これほど手厚い公的保険制度は他国にはございません。
※免疫抑制剤の服用者は身体障碍者1級の手帳が交付されるので
医療費は基本、診察500円・薬代500円の計1千円×4~6回通院 1万円以下です。

新興国の場合、毎年150万円の出費は平均年収を大きく上回るので一般人は心臓移植や肺移植を選択することはできません。その様な事情から日本では貴重な心臓や肺が廃棄されるのです。

イスタンブール宣言(WHO)では「当事国患者の移植機会を奪う移植ツーリズムは禁止すべき」との勧告が出されています。(勧告に法的拘束力は有してない)この観点からも安全・確実に移植手術が受けられるのであれば、臓器需要が多い先進国より新興国の地方都市の方が他の待機患者へ及ぼす影響は少なく廃棄予定の未利用臓器の提供を受けられる可能性が高いです。
従って、待機時間も短く済む利点もあり、結果的に手術代金は低額で済みます。
※未利用臓器の採用は当事国の政府や関係機関の協力が得られるので正式な手続にて渡航移植が可能となります。

<後記>

現在3各国6医療機関に心臓移植の受け入れの承諾を得ています。
ドナーの出処が一番早い病院へ案内するスキームなので相談→渡航→帰国が速やかに進められます。従って費用も節約できます。

チャータージェットにてレシピエントを搬送する場合は数社に相見積もりを依頼しベストプライスを提示した先へ発注します。付き添いドクター看護師も同様です。
心臓移植は肺や肝臓移植ほど難易度は高くなく腎臓移植に次いで容易な手術と言われています。また移植後の5年後の生着率は90%を超え、今日では臓器移植の中で最も生存率の高い手術とされています。
20年前までは米国・EUが中心となり心臓移植手術をリードして参りましたが新興国の海外留学組が続々と帰国し始めてからは後進国に於いても心臓移植の経験が蓄積され飛躍的に技量が向上したのは直近10年の実績です。

心臓移植の選択は日本ではハードルは高いが諸外国では、その安全性ならび根本的治療であることから有力な選択となっています。ただし、我が国を除く先進国・新興国に於いても富裕層に限られた治療であることは事実です。
※私どもに問い合わせに見える患者さんの80%は手遅れの病状で渡航ができません。

異口同音に聞かされるのは「先月(先週)まで元気でした・・・」心臓・肺の機能は急激に悪化する事は主治医から聞かされている筈です。しかし現実化するまで放置される方が大半です。根本的な治療方法が移植しかないと判明した時点でまずは相談なさってください。早過ぎて不利益になる事は何一つございません。

令和3年1月8日(転載・配布自由)



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