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渡航移植に関する世界の情勢 2022年04月04日

①渡航移植医療の現実・・・
臓器移植は延命ではなく根本的治療である。
そのため多くの人が待機リストに登録して順番を待ちます。
海外でも同様です。ただし日本よりは待機時間は短く、その順番の割り込みも日常的に実施されています。

②象徴的な事例・・・
アップルのスティーブン・ジョブズ氏は膵臓癌を患っており、摘出の遅れから癌は全身に広がっていました。特に肝臓へ転移した癌は末期の状態であり、医学的見地から肝臓移植は、既に不適応となっていました。その理由は肝臓だけ移植し、新しくしても全身に転移した癌が命を奪ってしまうからです。

医療関係者は「肝臓移植しても寿命は延びて1年程度」と判断していました。 しかし、ジョブズは、その1年の命を求めて肝移植を決意したのです。臓器はすぐに手配(順番の割り込み)されました。結果は予想より延命でき術後2年半生存されました。

もし、トヨタ自動車の豊田章男社長が同様に順番の割り込みをしたらどうなると思いますか?おそらく日本のマスコミは大騒ぎするに違いありません。そしてトヨタ車ボイコットの事態も予想されます。順番の割り込みと言えば「○○ちゃん救う会」の場合は、順番を割り込んでも美談として報道されます。そうなると日本では「必ず順番に並んでください」絶対です。でも海外では問題ありません。そのような解釈になってしまいます。

現地、米国ではどのようなコンセンサス(国民的合意)なのかと言えば、一般的に順番を割り込むことは良い事ではないと思いながらも、ジョブズ氏が割り込んだら「彼はお金持ちだから当然でしょう・・・」と問題視しません。「○○ちゃん救う会」も、多額の割り込み料金を支払うのだから許される側面があります。

上記の事から「臓器移植は富裕層の治療」とも言えます。
多くの発展途上国では上流階級に暮らす人しか移植治療は受けられません。欧米社会(キリスト教徒)はどうかと言えば、比較的ドナーが多く出処するので順番待ちすれば臓器により30~90%人が移植手術を受けられます。ただし一般的に中流家庭以上であり、低所得者(保険未加入)には順番が回らない国もあります。

③日本の様に臓器が少ない国々はどうするか・・・
宗教上のタブー(禁忌)から臓器移植の実施件数が少ない国や地域があります。それはイスラム教徒(シーア派除く)とユダヤ教徒です。
それらの人々は自国内でドナー待機しても宗教上の理由から移植の機会が極めて少なく、海外へ渡航して各種の臓器移植を受ける事になります。

外国人患者の受け入れをしている移植センターへ行くと裕福なイスラム教徒と数多く出会います。特に石油や天然ガスなどの資源国からの渡航患者を多く見受けます。

また、世界各国に在住している裕福なユダヤ人もイスラム教徒の次に来訪されています。イスラエルは今でも保険会社が諸経費を含めた手術代を給付しています。ホテル代や渡航費も支給されるので、子供から大人まで各種臓器移植に見えます。 この様な事実を日本では報道されていないので多くの人は知らないと思います。

④余談ですが・・・
世界で活躍する移植コーディネーターは3名います。渡航先で度々お会いする事があります。第一人者のR氏と2番目のS氏は供にユダヤ人です。(3番目はトルコ人)以外にもイスラム教徒は、そのユダヤ人の案内で渡航してきます。臓器移植の医療現場には宗派対立はございません。

⑤資金力の無い患者はどうするか・・・
移植をしなければ長く生きられない。しかし多額の資金を用意する事も出来ない。どうしたら良いか・・・・。

その様な患者が選択する先はインド・東南アジアで行われている臓器売買です。腎臓の場合4~6万ドル程度で移植手術が可能です。臓器売買が安価なのはICUの設備も無い小規模なクリニック等に外科医・麻酔医師・ドナー・レシピエントが離合集散して繰り返し手術を実施する仕組みなので安上がりに済みます。また何か問題が生じれば逃げるため、ブローカーはネット上で集客し、身元(住まい)も不明な人達です。
※昨年、日本人患者がパキスタンへ行き5500万円支払っています。(帰国後に死亡)

⑥帰国後の治療に付いて
一部の透析病院では「海外で移植しても帰国後に診る病院がない」ビックリするような話をする医師(看護師)がいるそうです。

先ず、結論から申しますと帰国後に治療が受けられないと患者は死んでしまいます。今日まで多くの日本人が海外へ行き各種臓器移植をして参りましたが、帰国後に診療が受けられずに死んだ方は、私ども以外も含めて1例も聞いたことがございません。確かに事前の根回しや複数の先に打診を繰り返す事はございます。特に最近は煩雑となり以前より容易ではございません。しかし、それは私どもの重要な支援活動の一部です。私どもが帰国後に患者を放置する事は過去も将来もございません。詳しくは資料(渡航ガイドブック)をご覧ください。

⑦新理事長のあらたな方針(お知らせ)
一昨年まで患者様からの要望「渡航移植の非公開」私どもは承諾していました。以前は中国(現在は案内してない)各種臓器移植を実施しています。

勤務先や周囲の対人関係から中国への渡航移植を内々にして頂きたいとの要望を受ける事が度々ございました。私どもは事情を酌み取り了承して参りました。特に著名な方や医療関係者、上場会社の役員並び従事者は非公開としました。

しかしながら、その結果NPOの会計に問題が生じ昨年、修正申告を致しました。計上した余剰金、約7000万円(令和3年5月期)は活動予備費・引当金・前受け金として計上しています。今後に於いても適正な会計に努めたいと思います。

令和4年4月4日



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